コロナウイルスの感染拡大を抑え、自らの身を守るためには、ソーシャル・ディスタンシング（社会的距離を保つこと）が重要です。しかし、それはそれほど楽にできることではありません。
ソーシャルメディアやビデオチャット、エンターテイメントサービスが利用できるとはいえ、技術的スキルを持たない人々にとっては、それも簡単に扱えるものではありません。
とくに、テクノロジーの急速な進歩に戸惑い、普段から孤立しがちな高齢者にとってはそうです。
とはいえ、幸いなことに、適切に設定されたデバイスと適切なアプリがあれば、テクノロジーに疎い人でも、家族や友人とつながることは可能です。
このガイドでは、アカウントを登録しなくても使える、テキスト、音声、ビデオチャットアプリを紹介します。パソコンやスマホを使い慣れている人にとっては、Skype、Zoom、Discord、Telegramなどが頭に浮かぶかもしれません。
しかし、技術に疎い人たちにとっては、それらは必ずしも使いやすいアプリではありません。
おすすめのアプリを紹介する前に、スマホ（または任意のデバイス）を使いやすくする方法を解説しておきます。
ユーザー補助設定
たいていのデバイスには、操作を簡単にするためのユーザー補助設定やカスタマイズ設定が用意されています。
ユーザー補助設定には、
- ボタンや文字を大きくする
- 便利なショートカットを作成する
- アプリのインターフェースを簡略化する
- 不必要な機能や通知、アプリを非表示にする
などが含まれます。
こうした設定の多くは、自動的にアプリに反映されますが、一部のアプリは個別にユーザー補助の設定をしなければならないものもあります。いずれにせよ、ユーザー補助設定を軽視してはいけません。設定を行うことで、デバイスやアプリの操作がずっと易しくなり、使い方を教える際にもずっと楽になります。
米Lifehackerでも以前、AndroidやiOS／iPadOSのユーザー補助機能について解説しました。 Gadget Hacksも、高齢者や技術恐怖症のユーザーのためのスマホのセットアップガイドを公開しています。
このガイドはAndroidスマホについてのものですが、AndroidタブレットやiPhone、iPodにも共通するヒントが紹介されています。
それでは早速、オススメのアプリを紹介します。
FaceTime （iOS、iPadOS、macOS）
FaceTimeは、iPhone、iPad、Macに標準搭載のビデオチャットアプリです。すでにAppleデバイスを持っていて、つながりたい相手もAppleユーザーだけだという人は、FaceTimeが最も易しい選択肢となるでしょう。
ほかのアプリをインストールする必要はありません。iOSで有効にしたユーザー補助設定は、FaceTimeにも適用されます。インターフェースは使いやすく、習得も簡単です。iPhone、iPad、Macに搭載されているiMessageなどのアプリに慣れている人なら、なおさら使いやすく感じるはずです。
ただし、AndroidやWindowsなど、他のプラットフォームを使っているユーザーと連絡をとりたい場合は、以下に紹介する、クロスプラットフォームのアプリを使うことをお勧めします。
Facebook Messenger Lite（Android、iOS／iPadOS）
Facebook Messenger Lite（Android、iOS／iPadOS）は、Facebook Messengerを簡略化して洗練させたバージョンです。テキストメッセージやビデオチャット、音声チャットのみに特化し、余計な機能はカットされています。
Messenger Liteでも画像や動画を送信できますが、ダークモードやスレッドなどの機能はありません。
余計なアニメーション（プロフィール画像が出てきて既読を知らせる）もないので、会話のやりとりがよりスムーズになります。
Facebook Messenger Liteには、一部のユーザーから不評を買っている、Facebook Messengerのチャットヘッド通知機能も搭載されていません。
Messenger Liteはクロスプラットフォームであり、インターフェースはどのデバイスでもほとんど同じなので、複数のデバイスを所有している人でも、一貫した操作感で使うことができます。パソコン用のアプリはありませんが、必要ならMessengerのウェブ版が利用できます。
Messengerモバイルアプリと同じく、Messenger LiteもFacebookアカウントがなくても利用できます。アプリは完全無料で、機能制限もありません。
ビデオチャットをするときは、あとで超過料金に泣かなくてすむよう、通信回線がWi-Fiになっていることを確認してください。
WhatsApp（Android、iOS／iPadOS、Windows、Mac）
WhatsApp（Android、iOS／iPadOS、Windows、Mac）もFacebookが所有する無料アプリですが、Facebook Messengerとは、いくつかの重要な違いがあります。
たとえば、WhatsAppのプライバシー機能は、Facebook Messengerより優れています。WhatsAppでやりとりされるメッセージや通話データはすべて、エンドツーエンドの暗号化で保護されます。
つまり、会話の内容が、当事者意外に漏れることはないということ。プライバシーが心配な人には、WhatsAppが最もおすすめできる選択肢です。もちろん、より厳格なプライバシー保護機能を備えたアプリもありますが、WhatsAppほど使いやすくも、人気もありません。
WhatsAppはインターフェースも使いやすく、Facebook Messenger Liteよりもさらにシンプルと言えるかもしれません。
Messengerと同じくWhatsAppでも、友人のWhatsAppユーザーや、デバイスの連絡先に登録されている相手にメッセージを送ることができます。メッセージ、音声通話、ビデオチャットなどのすべてのサービスが無料で利用できます。
WhatsAppには、Android、iOSアプリのほかに、Windowsアプリ、Macアプリ、ウェブクライアントがあり、すべて同一のプロファイルに同期できます。
Oscar Senior
最後の選択肢は、前述の3つとは少し性質が異なりますが、注目に値します。Oscar Seniorは、単なるビデオチャットやメッセージングアプリではありません。統合的なデジタルケアパッケージです。
Oscar Seniorは、高齢者のユーザーが家族や友人、介護者と連絡をとるための機能を多数搭載した、第二のオペレーティングシステムです。テクノロジーに疎い人でも簡単に使えるようにデザインされています。
Oscar Seniorは、通話、テキスト、ボイスチャットに加え、重要なケアデータの監視、記録などの機能も備えています。インターフェースには、大きくて見やすいボタンと、大きな文字のウィジェットが使われ、ボタンを数回押すだけでビデオ通話を開始できます。
このサービスには何段階かの有料プランがあります。使い始めるまでにかなりの設定作業が必要ですが、現在、コロナウイルスへの対策支援として、2カ月の無料試用版が提供されています。iOS、Android、Mac、Windowsで利用できます。
スマートスピーカーはアプリではありませんが、連絡を取り合うためのシンプルな手段です
アプリやスマートフォンを使わないという選択肢もあります。
テクノロジーに疎い人のために、スマートスピーカーをセットアップしてあげれば、簡単な音声リクエストで電話をかけられるようになります（トリガーワードやキャッチフレーズをメモしてあげれば、なお親切）。
新しく買うなら、あなたがふだん使っているのと同じプラットフォームのスマートスピーカーを使ってほしいと思うはず。あなたがiOSユーザーなら、選ぶべきスマートスピーカーはHomePodです。 Amazonのエコシステムに投資している人は、友人や愛する人にEchoデバイスを入手してもらいましょう。
Androidを使っているか、Googleスマートホームデバイスを持っているなら、Google Homeスピーカーが第一候補となります。
こうしたスピーカーはすべて、適切なデバイスと組み合わせることで、通常の電話のように使うことができます。たいていは、同じメーカーのオペレーショングシステムが動作するデバイスを使うか、互換性のあるスマートフォンに適切なアプリを入れればOKです。
技術に疎い人には設定が難しいので、あなたが代わりに設定をしてあげる必要がありそうですが、それだけの価値はあります。
いずれにせよ、スマートスピーカーは、友人や家族と連絡をとりあうための、シンプルかつ優れたソリューションとなるということです。
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Image: Shutterstock
Source: Gadget Hacks, Apple（1, 2, 3, 4）, Google（1, 2）, WhatsApp, Oscar Senior
David Murphy and Brendan Hesse - Lifehacker US［原文］
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